Stripe Sigma 活用しよう

この記事は、「JP_Stripes Advent Calendar 2022」 12/5のエントリーです。
Stripe の製品の中の一つ、「Sigma」を実際に使ってみて感じたことを書いてみました。


Stripeの魅力の一つが、取引が発生するまでは無料で利用、検証できることです。

Sigmaも取引数に比例するとはいえ、追加の手数料がかかるため、Stripeの利用を始める時よりは、ハードルがあるように感じます。
このエントリーを通して、手数料以上の魅力を伝える事ができればいいなと思って書いてます。


Sigma とは?

ビジネスデータを自由に操作

https://stripe.com/jp/sigma

Stripe上のデータを、SQLを使って自由に抽出できるようになります。Stripeは主に決済に関連する情報が蓄積されていますので、そのデータをそのまま分析やレポートに活用できると便利です。


料金体系

https://support.stripe.com/questions/understanding-stripe-sigma-pricing

詳細は本サイトのドキュメントを参照いただくとして、取引数に比例して手数料がかかります。

クエリの実行には課金されませんので、いろいろなクエリを気にせず実行することができます。

(余談ですが、おそらく全件数に比例してクエリ実行時間が長くなってるのだとは思いますが、簡単なSQLの場合でも実行時間が長いため、最初に検証しながらクエリを構築していくときは、そういうものだと理解して効率よく検証する必要があります。検証時には、数件だけ抽出するようなサンプリング実行機能などがあるといいなと思いました。)

無料のお試し期間も用意されていますので、ある程度データが溜まってから試してみることをオススメします。


活用ポイント

ここからは実際に利用してみての、具体的な活用ポイントをいくつか紹介します。


最初から用意されたテンプレートから、分析のやり方を学べる

Sigmaを有効にしてアクセスすると、「テンプレート」というエリアに、分析の役に立ちそうないろいろなSQLテンプレートが用意されています。

SQL自体は馴染みのあるものですが、いざ活用しようとスキーマの一覧を見ると、大量にテーブル、カラムがあるので戸惑ってしまいます。

Stripe Data Schema (ログインが必要)

テンプレートの一部

そういったときにテンプレートを見れば、実際にどういうデータを抽出できるのかを説明付きで用意してくれていますので、各テンプレートのSQLを読んだり、実際に実行したりして、いろんな分析データを眺めるだけでも、色々な学びがあり、魅力を感じることができるかと思います。


一つのクエリで、いろいろなデータを組み合わせて抽出できる

StripeはAPIも豊富なので、APIを駆使するだけで必要な情報を取ってくることも可能です。

https://stripe.com/docs/api – Stripe API

しかも、Expanding Responsesも活用すれば、限りなくシンプルにデータを収集できます。他のAPIサービスと比べてもレスポンスも早く、非常に扱いやすいAPIだと思っています。

https://stripe.com/docs/api/expanding_objects – Expanding Responses

ただし、いろいろなデータが組み合わさったStripeの情報を、一回のAPIコールだけで収集するのは難しく、特にConnectアカウント側の情報と組み合わせたりすると、どうしてもいくつかのAPIをコールして、収集したデータを加工する必要が出てきます。

Sigmaを使えば、そういったデータも割とシンプルに収集することが可能です。また、Stripeの各種情報には metadata をセットすることが可能で、その metadata を利用することも可能なので、うまく活用できれば思い通りの分析データを作ることができるようになります。

https://stripe.com/docs/api/metadata – Metadata


クエリをスケジュール登録して、定期的なレポートを作成できる

Sigmaで作成したクエリは、スケジュール登録をすることができます。

https://stripe.com/docs/stripe-data/schedule-queries – Schedule queries

実行結果の送信先は、メールかWebhookを指定することが可能です。

ある程度扱いやすい形にした状態のデータをWebhookで受け取っておけば、サービスのダッシュボードに表示したり、クライアント用に専用の定期レポートを作ったりすることも簡単に可能になります。


以上、わかりやすい活用ポイントをまとめてみました。

サブスクリプションなど、取引が増えてくると、そのデータを使って分析やレポート作成が必要になってきます。

最初にも書いたとおり、決済に関する情報がStripeに蓄積されていますので、そのデータをSigmaをうまく使って抽出できれば、効率よく分析ができるので、サービスに決済情報の分析が必要になったら、一度、試してみることをオススメします。


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